家の中で大地震が発生した場合の適切な対処方を、シチュエーション別に確認しましょう。
トイレ、お風呂にいる場合
すぐに脱出し、玄関などの安全なゾーンへ避難しよう
一昔前は、大きな揺れを感じたらトイレに逃げ込め、と言われていました。柱に囲まれた狭い空間が安全だと思われていたからです。ですが、最近では建築方法が変わり、トイレは柱で仕切られていない場合もありますし、また、落下物によって閉じ込められてしまう事もあるので、トイレで地震が発生したら、すぐに玄関などへ避難しましょう。
入浴中に発生した場合は、浴室はカガミやガラスが多く、強い揺れによって、破損物が飛び散りケガをする可能性が大変高いので、十分に注意しましょう。
とりあえずは、洗面器や湯船のフタなどを頭にかぶり、服やバスタオルを持って、玄関に行き、ドアを開けて避難経路を確保しましょう。強い揺れの時は服を着ている余裕すらないこともあります。一時の恥よりもまず命を守ることを第一に考えて行動しましょう。
寝室にいる場合
最悪の事態を想定して、避難路の確保を第一に
阪神・淡路大震災のとき、家財道具の下敷きによる圧死が大変多かった事を教訓に、寝室には寝室には背の高い家具を置かないことが大前提です。
地震が来たらまずは玄関のドアを開け避難路を確保しましょう。そして建物が倒壊しそうな大きな揺れを感じたらすぐに脱出しましょう。
飛び散っガラスなどの破片などでケガをする恐れもあるので、日頃から枕元には厚底のスリッパ、靴、セーフティハット、ヘルメットなどを準備しておきましょう。
2階にいる場合
無理に脱出することは考えず、2階に留まって様子をみよう
古い木造一軒家の場合、倒壊の恐れもあります。阪神・淡路大震災では死亡した人の八割が建物倒壊による圧死でした。1階にいたらすぐにドアを空けて外に逃げましょう。
もしも、木造住宅の2階にいた場合は、すばやく1階に降りて、外へ脱出することも一つの手ですが、大揺れの中では無理に階下へ降りなくてもいいという考えもあります。
2階のほうが、重いものが少ない分、空間に隙間ができるので、生き延びる可能性が高いとも言われているからです。
キッチンにいる場合
簡単に火が消せるなら火を消そう
地震による二次災害で怖いのは家事です。大きな揺れが発生した際、たまたま調理中ならそのまま火を消せばいいのですが、大揺れの中、遠くまで火を消しに行くのは大変危険です。
最近のガスコンロは大きな揺れを感知すると自動的に消えるものも多いので、身の危険を冒してまで、消しに行く必要はありません。自宅のコンロがどういうタイプかは事前にしらべておきましょう。
キッチンにはコンロだけでなく、大きな揺れで凶器に変わるものがたくさんあります。飛んできたらケガをする電化製品や、割れると怖い食器やビン類。そして包丁も飛んできたら危険な凶器に早変わりします。包丁もキチンとしまう事を忘れずに逃げるようにしましょう。
キッチンは危険地帯です。なるべくは近づかず、揺れが収まるのをまちましょう。
閉じ込められた場合
叫んでも体力を消耗するだけ。笛を常備しよう。
万が一、逃げ遅れ、倒れた家具や壁の下敷きになり、身動きが取れなくなった場合は、とにかくあわてないことです。無理に身体を動かそうとせずに、ケガはしていないか? 何の下敷きになっているのか? と状況を把握しましょう。
脱出や、身動きができないことがわかったら笛をならしたり、近くのものを叩き存在に気づいてもらいましょう。やたらに大声を出しても大事な体力を消耗するだけです。