高野豆腐も災害食になります。




非常食としても役立つ「保存食」。今回紹介するのは高野豆腐です。

日本の伝統的な保存食

高野豆腐とは、豆腐を凍結、低温熟成してから、乾燥させた保存食です。起源についてはっきりと解明されておらず、鎌倉時代に高野山で僧侶が作っていたものが、精進料理として日本全国に知れ渡ったというものが最も一般的な説ですが、長野や東北地方、はたまた中国にも同様の食品があります。

現在では製造方法は発達しましたが、最も古い製法は、硬く水切りした豆腐を寒気の屋外に干し、昼間は溶けて、夜は凍ることを繰り返す事で、水分が抜け乾物が出来上がるというものです。スポンジ状になっている小さな穴は、水分が凍る時にできた氷の結晶が溶け出した時に穴として残ったものです。

高野豆腐の食べ方は熱湯にしたし、湯戻ししてから調理するのが一般的です。伝統的な製造方法で完成した高野豆腐はとても硬く、湯でもどすのにも一晩かかるといいいます。ですが、そういったものは非常食としては不向きです。近年の進化した製造方法でつくられたものは湯戻しが必要ないものが多くありますので、非常食として備蓄する場合は、こちらを選びましょう。

高い栄養価

高野豆腐はアミノ酸(タンパク質)の宝庫といわており、100gあたりの含有量が、タンパク質が高いと言われている「鶏卵」、「サーロイン」、「マグロ」、の倍以上あります。また、同じ大豆食品の木綿豆腐、納豆、豆乳、きな粉のなかでもダントツNO.1の含有量をほこります。この含有量の高さの理由は製造方法にあり、凍らせて熟成し乾燥することによってタンパク質が凝縮されるようです。

その他の主な栄養成分は、脂質の代謝をあげる大豆サポニン、抗酸化作用のあるビタミンE、骨粗しょう症によいとされるイソフラボンに、食物繊維、カルシウム、マグネシウムと、タンパク質以外にも栄養の宝庫となっており、非常食としてたよりになる一品です。

賞味期限

密封容器に入れて冷暗所で保存することで約6ヶ月