1番の優先順位は水
私達の体は、何も食べなくても、およそ3週間は生きていけると言われています。ですが、水分をとらないと、3日間しか生きられないとも言われています。人間の体はおよそ70%が水分で構成されており体内の水分が失われると様々な症状を引き起こします。
まず2%失われると、非常に喉が渇き、食欲が低下します。次に4%失われると筋肉が疲労してけいれんを起こし、動けなくなります。その後、6%で頭痛や体温上昇が起こり、8%でめまいや呼吸困難を招きます。そして、さらに失われると体内のミネラルバランスが崩れてしまい、10%~20%で生命の危機に陥ります。ですので被災した時、食べ物以上になによりも、必要不可欠になってくるのが水なのです。
水道の復旧まで平均16日!
飲水はもちろんのことですが、うがいや、手洗い、歯磨きに食器洗い、お風呂やトイレといった生活用水としてや、二次災害で火災が発生した場合の、消火水の為の水も確保しておきたいものです。
水道管はガス管と同様に、地中にあるため電気などのライフラインに比べ復旧が遅いです。過去15年間に起きた大きな震災において水道が復旧するまでにかかった日数は、平均で16日間も要しています。阪神・淡路大震災にいたっては、なんと90日かかった場所もありました。
水道の復旧は見通しがつきにくいので水の備蓄がいかに大切かが分かります。非常持出袋には2リットルのペットボトルを最低でも2本は確保しておき、自宅には最低でも、 1人1日2L×3日分×家族の人数分をストックし出来れば、夏場の震災や、生活用水も見越してストックを増やしていきましょう。
集合住宅にお住まいの方は忘れずに
生活用水もまかなえるだけの量を備蓄していくのは中々難しいところですが、マンションやアパートなどの集合住宅の場合は、地震が発生し、ライフラインが止まった後でも貯水槽にまだ水が残っている可能性がありますので、揺れがおさまるのをしっかりと確認した後で風呂桶に水を貯めましょう。
夏場には熱中症に気をつけましょう
夏に災害が起きた場合、電気のストップにより避難所では冷房が効かず、熱中症の心配があります。特に高齢者の方や乳幼児は、水分の調節機能が低いため、より注意が必要です。高齢になると、喉の渇きを感じるセンサーが鈍ってくるため早め早め水分補給を心がけましょう。
脱水症状を予防するにはこまめな水分補給が大事になるのですが、この時に注意しなければならないのが、コーヒーや紅茶には利尿作用があるため逆効果になってしまうことです。水分補給には水や100%果汁のジュース、ノンカフェインのお茶、ゼリードリンクなどが良いでしょう。
トイレはガマンしない
水道管がストップすることにより、トイレの環境は避難所などでは特に不便になります。その事で女性や高齢者の方はトイレの回数を減らそうと水分を控えがちです。夏場でなければ 水分を控えるのは仕方のないことですが、トイレを我慢するのは膀胱炎や便秘を招く恐れがあるので十分に注意しましょう。
水を運べる準備をしておこう
水道管復旧までの間には給水車や給水所から、水を持ち帰る事になると考えられますので水を運ぶための道具もしっかりと常備しておきましょう。
ポリタンクを用意するのもいいですが、折りたたみ式のビニールタンクなど、便利なグッズも売られていますので、これから常備を考えている方にはこちらもオススメです。