保存食の種類は4つ 漬ける、干す(乾燥)いぶす(燻製)煮る




保存食は製造方法や使われる食材は実に様々ですが、大きく分類すると、製造方法は「干す(乾燥)」、「いぶす(燻製)」、「漬ける」、「煮る」の4製法、使われる食材は「農産物」、「水産物」、「畜産物」の3種類に分けることができます。

このページでは製造方法による分類とその代表的な保存食を紹介します。

製造方法による4つの分類

1,干す(乾燥)

代表例

「ビーフジャーキー」、「レーズン」
「切り干し大根」、「高野豆腐」

食材を食品用乾燥機にかけて乾燥させたり、太陽のしたで干したりすることで、食材の水分を飛ばす保存方法です。水分を飛ばし乾燥させることで素材本来の旨味成分が凝縮されて栄養価が高まるだけでなく、菌やカビが繁殖しずらい状態となり、食材の腐敗を防ぐ効果があります。

現在は乾燥機による製法はあたりまえですが、むかしは天日干しによる乾燥が主流でした。

2,いぶす(燻製)

代表例

「ベーコン」、「スモークサーモン」

いぶすとは、ナラやサクラの木を燃やし、そこから出たケムリを食材に当てることで乾燥させる方法の事を言います。いぶす(燻製)には「熱燻」、「温燻」、「冷燻」の3つの製造方法があります。

煙を当てることで食材の水分をとばすだけでなく、煙に入っている防腐性の成分が食材をコーティングすることで、外からの菌の侵入を防ぐほか、食材の保存期間を伸ばす効果があります。

3,漬ける

代表例

「オリーブの塩漬け」、「ぬか漬け」

漬けるとは、食材を、みそ、麹(こうじ)、砂糖、お酢、醤油、塩などの調味料や、あぶら、アルコールなどの漬け床の中に長期間漬ける製造方法のことです。

漬ける期間は長期のものだけでなく、短期間で仕上がるものもあり様々なのですが、長い期間漬けるものは発酵作用も製造過程に含まれているものが多いです。そうして、食材を漬け込むことで、雑菌やカビの侵入や生息を防ぐこうがあります。

4,煮る

代表例

「ジャム」、「コンフィ」

煮るとは、食材を油や砂糖などをもちいて煮詰めてゆく製造方法です。果物の果汁や果実を多めの砂糖と一緒に煮詰めてゆくジャムは、くだものに含まれるペクチンという成分に糖と酸が化学反応を起こし、ゲル化させることで水分活性を低下させ、雑菌、カビ類の生息、繁殖を防ぐ効果があります。

また、低い温度の油でじっくりと肉を煮詰めるコンフィなどは、食材を凝固した油の中で保存することで、同じく雑菌、カビ類の生息、繁殖を防ぐ効果があります。